「アパート経営って初期費用いくらかかるの?」「自分の貯金で足りるのか不安…」こんな疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。
アパート経営の初期費用は物件の規模や場所、新築か中古かによって大きく変わります。建築費や購入費だけでなく、仲介手数料や登記費用などの諸費用も合わせるとかなりの金額になります。
この記事では、新築・中古それぞれの初期費用の内訳を具体的な金額で紹介し、費用を抑えるコツも解説していきます。資金計画を立てる際の参考にしてください。
新築アパートの建築費
構造別の建築費目安
- 木造:坪単価77〜105万円
- 軽量鉄骨造:坪単価85〜110万円
- 重量鉄骨造:坪単価105〜145万円
6室の木造アパート(延床面積40坪)なら、建築費は3,080〜4,200万円が目安です。これに土地代が加わるため、トータルの投資額は立地によって大きく変動します。
建築費以外のコスト
- 設計・監理費(建築費の5〜10%)
- 外構工事費(駐車場、フェンスなど)
- 地盤改良費(必要な場合50〜200万円)
- 水道・ガスなどの引き込み費用

中古アパート購入の場合
中古一棟アパートなら2,000万〜1億円程度が相場です。エリアや築年数で大きく変わりますが、新築と比べて初期投資を抑えられるのがメリットです。頭金は物件価格の10〜30%が目安で、5,000万円の物件なら500〜1,500万円の頭金が必要になります。
中古の場合は建物の状態を必ず確認しましょう。購入直後に大規模修繕が必要になると、想定外の出費で収支が崩れてしまいます。
諸費用の内訳
物件価格や建築費以外にも、以下の諸費用が必要です。
- 仲介手数料:物件価格の約3%+6万円(中古購入時)
- 登録免許税:固定資産税評価額の2%
- 不動産取得税:固定資産税評価額の3〜4%
- 印紙税:1〜6万円
- ローン事務手数料:借入額の1〜3%
- 火災保険料:10〜30万円(10年一括の場合)
- 司法書士報酬:10〜20万円
諸費用の合計は物件価格の7〜10%が目安です。5,000万円の物件なら350〜500万円の諸費用がかかる計算になります。建築費の構造別相場は以下の記事で詳しく解説しています。

自己資金の目安は「頭金(物件価格の10〜30%)+諸費用(物件価格の7〜10%)」です。5,000万円の物件なら最低でも850万円以上の自己資金を用意しましょう。
初期費用を抑える4つのコツ
建築会社の相見積もりで交渉する
最低3社に見積もりを取って比較しましょう。同じ条件でも500万円以上差が出ることがあります。
仲介手数料の交渉
仲介手数料は上限が法律で定められていますが、値引きに応じる業者もあります。複数の不動産会社に声をかけて交渉しましょう。
火災保険の比較検討
火災保険は保険会社によって保険料が異なります。一括見積もりサービスを利用して最安値を探しましょう。
不要な設備を省いてコストダウン
入居率に影響しない設備は省いてコストを抑えましょう。ただしバストイレ別やオートロックなど入居率に直結する設備は削らないことが重要です。


融資の基礎知識
融資を受けられる金融機関
地方銀行、信用金庫、日本政策金融公庫が主な融資先になります。都市銀行は審査が厳しいですが、金利は低い傾向があります。複数の金融機関に相談して条件を比較しましょう。
融資の審査基準
年収、自己資金、物件の収益力、既存の借入状況などが審査されます。年収500万円以上、自己資金が物件価格の20%以上あると融資を受けやすくなります。アパート経営の始め方は以下の記事で詳しくまとめています。



よくある質問(Q&A)
Q. 自己資金ゼロでもアパート経営は始められる?
フルローン(物件価格全額融資)が出れば理論上は可能ですが、諸費用分の自己資金は必要です。金融機関によってはフルローンに対応していますが、審査は厳しくなります。
Q. 新築と中古、初心者はどちらがおすすめ?
中古の方が初期費用を抑えられますが、建物の状態を見極める知識が必要です。初心者は新築で建築会社のサポートを受けながら始めるのも一つの方法です。
Q. 土地を持っている場合の初期費用は?
土地代がかからない分、建築費+諸費用だけで済みます。6室木造アパートなら2,500〜3,500万円程度が目安です。
Q. ランニングコストはどのくらい?
管理費(家賃の3〜5%)、修繕費、固定資産税、保険料、ローン返済などが毎月・毎年かかります。家賃収入の30〜50%程度がランニングコストになるのが一般的です。
自己資金の目安別・始め方
アパート経営は用意できる自己資金によって、取れる選択肢が変わってきます。無理のない資金計画を立てるために、目安を押さえておきましょう。
- 自己資金500万円前後:中古の小規模アパートや、価格を抑えた地方物件が候補になります。
- 自己資金1,000万円前後:中規模の中古一棟や、条件次第で新築も視野に入ります。
- 自己資金2,000万円以上:新築の一棟建築や、好立地物件など選択肢が広がります。
頭金が多いほど毎月の返済負担が軽くなり、空室が出たときの余裕も生まれます。手元資金をすべて頭金に回すのではなく、突発的な修繕に備える予備費を残しておくことも大切です。
融資の種類と金利の考え方
アパート経営では、多くの場合ローンを組んで物件を取得します。融資先によって金利や審査基準が異なるため、複数の金融機関を比較しましょう。
- 都市銀行:金利は低めですが、審査は厳しめです。
- 地方銀行・信用金庫:地域の物件に前向きで、相談しやすい傾向があります。
- 日本政策金融公庫:比較的少額から相談でき、固定金利での借入がしやすいのが特徴です。
金利には全期間固定型と変動型があり、変動型は返済当初の負担が軽い一方、将来金利が上がると返済額が増える点に注意が必要です。返済計画を立てる際は、金利が上昇した場合でも収支が回るかをシミュレーションしておくと安心です。
減価償却と耐用年数を理解する
アパートの建物部分は、法定耐用年数に応じて減価償却費として毎年経費計上できます。住宅用の耐用年数は木造22年、軽量鉄骨造19〜27年、重量鉄骨造34年、鉄筋コンクリート造47年が目安です。
木造は耐用年数が短い分、1年あたりの減価償却費が大きくなり、所得を圧縮しやすい傾向があります。ただし金融機関は耐用年数から築年数を引いた期間を融資期間の目安にすることが多く、築古物件ほど借入期間が短くなりがちです。節税効果と融資条件はトレードオフの関係になることを理解しておきましょう。


Q. 初期費用はいつ支払うのですか?
仲介手数料や登記費用、火災保険料などの諸費用は、売買契約時と決済(引き渡し)時に分けて支払うのが一般的です。手付金は契約時に必要になるため、決済前でもまとまった現金が要る点を見込んでおきましょう。
Q. 諸費用もローンに含められますか?
金融機関によっては諸費用まで含めた融資(オーバーローン)に対応する場合もありますが、審査は厳しくなり、返済負担も増えます。諸費用分は現金で用意しておくのが基本と考えておきましょう。
Q. 初期費用を抑えると入居率に影響しますか?
設備を削りすぎると入居付けに響くことがあります。バストイレ別や独立洗面、インターネット無料など、入居者が重視する設備はコスト削減の対象から外すのが無難です。
資金計画で失敗しないための考え方
アパート経営は初期費用が大きい分、資金計画の丁寧さが安定経営の土台になります。次の3点を押さえておきましょう。
総額で予算を組む
建築費や物件価格だけでなく、付帯工事費や諸費用まで含めた総額で考えます。建築費や物件価格の15〜20%程度は諸費用として上乗せして見込んでおくと、資金不足を防げます。
予備費を必ず残す
手元資金をすべて頭金に回すと、購入直後の修繕や空室に対応できなくなります。数か月分の返済や突発的な修繕に備え、予備費を確保しておきましょう。
金利上昇も織り込む
変動金利で借りる場合は、将来金利が上がっても返済が続けられるかをあらかじめ試算しておきます。余裕を持った計画にしておくことで、環境が変わっても慌てずに経営を続けられます。
Q. 中古アパートで特に注意すべき費用は?
購入直後に発生しやすい修繕費に注意しましょう。外壁や屋根、給排水設備などは築年数が進むと大きな修繕が必要になり、想定外の出費で収支が崩れる原因になります。購入前に建物の状態を確認し、可能であれば修繕履歴や今後必要になる工事の見込みを把握しておくことが大切です。あわせて、空室が出たときの原状回復費や、家賃下落の可能性も見込んで、余裕を持った資金計画を立てましょう。中古は初期費用を抑えられる反面、建物を見極める目が求められます。
まとめ
- 木造6室アパートの建築費は2,000〜2,800万円が目安
- 諸費用は物件価格の7〜10%
- 自己資金は物件価格の10〜30%+諸費用が必要
- 建築会社の相見積もりで費用を抑えよう
- 想定外の出費に備えて予備費も確保しておこう
建築費の相場は国土交通省の建築着工統計が参考になります。ローンの計算はCasioの計算サイトが便利です。

