当サイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を利用しています

不動産所得の計算方法をわかりやすく解説|収入・必要経費・控除の考え方

税金・確定申告

賃貸経営を始めると、毎年必ず向き合うことになるのが確定申告です。その中心にあるのが不動産所得の計算で、ここを正しく理解していないと、経費の入れ忘れで納めすぎたり、逆に経費にならないものを入れて後から指摘を受けたりします。

この記事では、不動産所得がどのような式で計算され、何が収入に入り、何が必要経費になるのかを、確定申告の実務に沿って整理します。減価償却や青色申告特別控除、損益通算の注意点まで一通り押さえておきましょう。

ナビ助
ナビ助
「家賃が入った分だけ税金がかかる」わけじゃないんだ。ここを知ってるかどうかで、手元に残る金額が変わってくるよ!

不動産所得の基本の計算式

総収入金額から必要経費を引く

不動産所得は、次の式で求めます。

計算式

不動産所得 = 総収入金額 − 必要経費(− 青色申告特別控除額)

ポイントは、家賃として入金された金額がそのまま課税対象になるわけではないという点です。賃貸経営にかかった費用を差し引いた残りが所得であり、その所得に対して所得税と住民税が課されます。

どんな不動産の貸付が対象になるか

不動産所得に含まれるのは、土地や建物といった不動産の貸付、借地権など不動産の上に存する権利の設定・貸付、船舶や航空機の貸付による所得です。アパート、マンション、戸建て、駐車場、貸倉庫などが該当します。

一方で、不動産の売却によって得た利益は不動産所得ではなく譲渡所得として扱われます。また、下宿のように食事を提供する形態や、ホテル・旅館のような役務提供を伴う貸付は事業所得または雑所得になります。同じ「不動産で稼ぐ」でも、所得の区分が変わると税額の計算方法まで変わるため、最初に区分を確認しておく必要があります。

参考:国税庁 No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)

総収入金額に含まれるもの

家賃だけではない

収入として計上するのは家賃だけではありません。実務では次のようなものが含まれます。

項目 内容
家賃 毎月受け取る賃料
共益費・管理費 入居者から受け取る共用部の費用
礼金・更新料 返還を要しないもの
駐車場代 入居者や外部に貸した分
敷金・保証金のうち返還しない部分 償却分として収入計上
自動販売機の設置料など 付随収入

注意したいのが敷金の扱いです。将来返還する予定の敷金は預り金であり収入にはなりませんが、契約上返還しないと決まっている部分は収入として計上します。

計上するタイミング

不動産所得は、原則として契約上の支払日が到来した日に収入計上します。実際に入金されたかどうかではありません。年末に滞納が発生していても、支払日が来ている家賃は収入として計上するのが基本です。年をまたぐ家賃の扱いなど細かなルールは、不動産の確定申告に絞った本で一通り確認しておくと迷いにくくなります。

関連商品をCheck!!👉 「不動産の確定申告の本」を見る
Amazon 楽天
注意

入金ベースで集計していると、年をまたぐ家賃の扱いでずれが生じます。管理会社からの送金明細と、契約上の支払日を突き合わせて確認しましょう。

ナビ助
ナビ助
敷金と礼金を同じ扱いにしちゃう人、けっこう多いんだ。返すお金か返さないお金かで分けて考えよう。

必要経費になるもの・ならないもの

代表的な必要経費

賃貸経営のために支出した費用は必要経費に算入できます。主なものは以下のとおりです。

必要経費の例
  • 固定資産税・都市計画税
  • 不動産取得税、登録免許税、印紙税
  • 損害保険料(火災保険・地震保険のその年分)
  • 減価償却費
  • 修繕費
  • 管理会社への管理委託費
  • 入居者募集の広告宣伝費
  • ローンの利息部分
  • 税理士報酬、司法書士報酬
  • 物件視察の交通費、通信費など事業に必要な支出

経費にならないもの

一方、次のものは必要経費になりません。

  • ローン返済のうち元本部分(利息のみが経費)
  • 所得税・住民税
  • 私的な支出(家事費)
  • 土地そのものの取得費(減価償却の対象外)

特に間違えやすいのがローン返済額のうち元本部分は経費にならないという点です。毎月10万円返済していても、経費になるのは利息に相当する部分だけです。返済予定表を見て、元本と利息の内訳を確認する習慣をつけましょう。

修繕費と資本的支出の分かれ目

修繕にかかった費用は、その年の経費として一度に落とせる「修繕費」と、資産として計上して減価償却する「資本的支出」に分かれます。原状回復や壊れた部分の修理は修繕費、建物の価値を高めたり使用可能期間を延ばしたりする工事は資本的支出になるのが原則です。

判断が難しいケースも多いため、大きな工事を行う際は事前に税理士へ相談しておくと安心です。

減価償却の考え方

建物は分割して費用にする

建物の購入代金は、購入した年に全額を経費にすることはできません。法定耐用年数にわたって少しずつ費用化していきます。これが減価償却です。

構造 法定耐用年数(住宅用)
木造 22年
軽量鉄骨造(骨格材3mm以下) 19年
重量鉄骨造(骨格材4mm超) 34年
鉄筋コンクリート造 47年

減価償却費は現金の支出を伴わないのに経費として計上できる項目です。帳簿上の所得を押し下げる働きがあるため、キャッシュフローと所得が一致しない主な原因になります。

土地と建物を按分する

物件を土地建物一括で購入した場合、減価償却の対象は建物部分だけです。売買契約書に内訳が記載されていればそれに従い、記載がない場合は固定資産税評価額の比率などで按分するのが一般的です。按分方法によって毎年の経費額が変わるため、根拠を残しておくことが重要です。

中古物件の耐用年数

中古物件を取得した場合は、法定耐用年数をそのまま使うのではなく、簡便法による計算で残存耐用年数を求めます。耐用年数を過ぎた物件では短い年数が適用され、その分だけ1年あたりの減価償却費は大きくなります。

青色申告特別控除を使う

控除額は3段階

青色申告を選択すると、要件に応じて青色申告特別控除を受けられます。控除額は10万円、55万円、65万円の3段階です。

控除額 主な要件
10万円 簡易な記帳でも可
55万円 事業的規模+複式簿記+貸借対照表と損益計算書の添付
65万円 55万円の要件+e-Taxによる申告、または優良な電子帳簿の要件を満たした電子帳簿保存

55万円・65万円の控除を受けるには、不動産の貸付が事業的規模であることが要件になります。事業的規模の判定には、独立した家屋なら5棟以上、アパートなどの独立した室数なら10室以上という形式基準(いわゆる5棟10室基準)が用いられます。

参考:国税庁 No.2072 青色申告特別控除

注意

青色申告を行うには、原則としてその年の3月15日までに「所得税の青色申告承認申請書」を提出しておく必要があります。要件や期限は改正されることがあるため、詳細は税務署または税理士にご確認ください。

赤字が出たときの損益通算

給与所得などと相殺できる場合がある

不動産所得が赤字になった場合、その損失を給与所得などと通算できるケースがあります。減価償却費が大きい年などに、課税所得が圧縮されることがあります。

土地取得のための借入金利子は対象外

ただし重要な例外があります。不動産所得の損失のうち、土地を取得するための借入金の利子に相当する部分は、損益通算の対象になりません。この部分は「生じなかったもの」とみなされます。土地の割合が大きい物件を借入で購入した場合、想定していた通算ができないことがあるため注意が必要です。

参考:国税庁 No.1391 不動産所得が赤字のときの他の所得との通算

事業的規模かどうかで変わる扱い

5棟10室基準

不動産の貸付が「事業的規模」に当たるかどうかで、税務上の取り扱いがいくつか変わります。判定には、独立家屋なら5棟以上、アパート等の独立した室数なら10室以上という形式基準が用いられ、駐車場については実務上、5台分でおおむね1室として換算する扱いが定着しています。

項目 事業的規模 業務的規模
青色申告特別控除 最大65万円 10万円
青色事業専従者給与 要件を満たせば可 不可
回収不能な家賃 その年の必要経費 収入計上した年に遡って修正
取り壊し等の損失 全額を必要経費に算入 所得金額を限度に算入

規模が大きくなると扱いが有利になる項目が並びますが、形式基準を満たしていても実態によって判断が分かれる場合があるため、境目にいる方は税務署か税理士に確認しておくと安心です。

消費税の扱い

住宅の家賃は消費税が非課税とされています。一方で、店舗や事務所として貸す場合の賃料、駐車場の使用料などは課税取引に当たります。課税売上が一定額を超えると納税義務が生じるため、住宅以外の貸付を行う場合は消費税の判定も必要になります。仕組みが複雑なため、該当しそうな方は早めに専門家へ相談してください。

年間のスケジュールをつかむ

不動産所得の申告は、一年を通した作業の積み重ねです。時期ごとにやることを把握しておくと、年明けの負担が軽くなります。

年間の流れ
  • 毎月:家賃の入金確認、領収書の整理、会計ソフトへの入力
  • 春:固定資産税の納税通知書を受け取り、経費として記録
  • 夏〜秋:修繕の実施と見積・請求書の保管
  • 年末:滞納家賃と敷金の精算状況を確認
  • 年明け:減価償却費の計算、決算書と申告書の作成

とくに見落とされやすいのが、年末時点での滞納家賃の確認です。支払日が到来している家賃は入金がなくても収入計上する必要があるため、管理会社に年末時点の滞納状況を確認しておきましょう。

記帳と書類管理をどう進めるか

不動産所得の計算でつまずく最大の要因は、税法の難しさよりも「領収書と明細がどこにあるかわからない」という物理的な問題です。年明けに一年分のレシートを段ボールから掘り出す作業は、想像以上に消耗します。

複式簿記が必要になる青色申告では、複式簿記に対応した会計ソフトを使うのが現実的です。銀行口座やクレジットカードと連携させておけば、入出金の取り込みが自動化され、貸借対照表の作成まで一続きで進みます。

紙の書類は、A4サイズのファイルボックスに物件ごとに分け、月別のインデックスを付けたクリアファイルに領収書を放り込んでいくだけでも、年末の負担がまったく違います。レシートを電子化するならA4対応のスキャナーがあると作業が速く、電子帳簿保存の要件を満たす運用にもつなげやすくなります。

関連商品をCheck!!👉 「A4 ファイルボックス」を見る
Amazon 楽天
関連商品をCheck!!👉 「インデックス付き クリアファイル」を見る
Amazon 楽天
関連商品をCheck!!👉 「A4対応 書類スキャナー」を見る
Amazon 楽天

制度の全体像を押さえたい方には、確定申告の実務を扱った書籍や、賃貸経営の収支を体系的に説明した『まずはアパート一棟、買いなさい!』のような実務書が参考になります。

関連商品をCheck!!👉 「不動産の確定申告の本」を見る
Amazon 楽天
関連商品をCheck!!👉 「まずはアパート一棟、買いなさい!」を見る
Amazon 楽天
ナビ助
ナビ助
領収書は「あとでまとめて」が一番危ない。月に一回まとめる習慣を作ると、確定申告が別物みたいに楽になるよ。

よくある質問

区分マンション1室でも確定申告は必要ですか

給与所得者で、給与以外の所得が年間20万円を超える場合は確定申告が必要になります。20万円以下でも住民税の申告は別途必要になるケースがあるため、判断に迷う場合は税務署にご確認ください。

白色申告と青色申告はどちらがよいですか

青色申告には特別控除や損失の繰越といった扱いがありますが、複式簿記による記帳など手間も増えます。物件の規模と記帳にかけられる時間を踏まえて選ぶことになります。判断は個別の事情によりますので、税理士に相談すると整理しやすくなります。

火災保険料は一括で経費にできますか

複数年分をまとめて支払った場合でも、その年に対応する部分だけを経費に計上するのが原則です。残りは前払費用として処理します。

物件を見に行った旅費は経費になりますか

賃貸経営に必要な視察であれば経費に算入できる場合があります。ただし観光を兼ねた場合など、私的な部分が含まれるときは按分が必要です。行程と目的を記録に残しておきましょう。

家族に管理を手伝ってもらった場合の給与は経費になりますか

生計を一にする親族への支払いは原則として経費になりませんが、青色事業専従者給与の届出を行うなど一定の要件を満たす場合には算入できるケースがあります。要件が細かいため、事前に税務署か税理士へ確認してください。

減価償却が終わったらどうなりますか

建物の償却が終わると経費が大きく減るため、同じ家賃収入でも不動産所得は増え、税負担が重くなる傾向があります。償却期間の終わりが近づく時期を把握して、売却や次の物件取得の計画を立てる方が多いようです。

まとめ

まとめ
  • 不動産所得 = 総収入金額 − 必要経費(− 青色申告特別控除)
  • 収入には共益費・礼金・更新料・駐車場代なども含まれる
  • ローン返済のうち経費になるのは利息部分のみ
  • 減価償却は現金支出を伴わない経費で、構造ごとに耐用年数が異なる
  • 青色申告特別控除は10万円・55万円・65万円の3段階
  • 赤字の損益通算では、土地取得の借入金利子部分が対象外になる

不動産所得の計算は、仕組みさえ理解してしまえば毎年同じ作業の繰り返しです。最初の一年でルールと記帳の型を作っておけば、翌年以降の負担は大きく減ります。なお、具体的な処理や適用の可否は個別の事情によって変わりますので、詳細は税理士や所轄の税務署にご確認ください。

📦 この記事で紹介した商品

👉 「不動産の確定申告の本」を見る
Amazon 楽天

👉 「A4 ファイルボックス」を見る
Amazon 楽天

👉 「インデックス付き クリアファイル」を見る
Amazon 楽天

👉 「A4対応 書類スキャナー」を見る
Amazon 楽天

👉 「まずはアパート一棟、買いなさい!」を見る
Amazon 楽天

タイトルとURLをコピーしました