不動産投資サービスを比較していると、ほぼ確実に候補に挙がってくるのがRENOSY(リノシー)です。ただ、公式サイトを眺めても「結局いくらかかるのか」がすぐには見えてきません。物件価格以外にどんな費用が乗るのか、毎月引かれるのは何なのか、そこがぼんやりしたままだと判断のしようがないという方は多いはずです。
この記事では、RENOSYの料金がどういう構造で組み立てられているのかを、購入時・保有中・管理委託という3つの軸に分けて整理します。同じRENOSYでも「評判・口コミ」を知りたい方は別記事で扱っているので、ここでは費用とビジネスモデルに絞って解説します。

RENOSYの運営会社とサービスの位置づけ
運営は株式会社GA technologies
RENOSYを運営しているのは、株式会社GA technologiesです。東京証券取引所グロース市場に上場している不動産テック企業で、投資用不動産の売買を扱うRENOSY事業のほか、不動産業界向けのSaaSを提供するITANDI事業などを展開しています。会社情報はGA technologiesの公式サイトで確認できます。
RENOSYという名前は、この会社が運営する不動産サービスの総称です。投資用の区分マンションを扱う「RENOSY 不動産投資」のほか、住まい探しや売却のサービスも同じブランド名で展開されているため、検索するときは投資用のサービスなのか居住用のサービスなのかを区別する必要があります。
「仲介」ではなく「売主」というビジネスモデル
料金を理解するうえで一番大事なのが、この点です。RENOSYの投資用物件は、GA technologiesが自ら買い取って販売する売主取引が中心です。つまり、一般的な不動産会社が買主と売主の間に立って受け取る仲介手数料が、この形では発生しません。
仲介手数料は法律で上限が決まっており、売買価格が400万円を超える場合は「売買価格の3%+6万円+消費税」が上限です。2,000万円の物件なら70万円台になる計算なので、これがかからないかどうかは初期費用に対して小さくない差になります。
物件ごとの価格や初期費用の目安は、RENOSYの公式サイトから取り寄せられる資料で確認できます。
売主取引なので仲介手数料はかからない。ただし「手数料がゼロ=総額が安い」という意味ではなく、会社の利益は物件価格そのものに含まれています。比較するときは手数料の有無ではなく、最終的な物件価格と収支で見るのが正確です。
売主取引と仲介取引の違いなど、取引の基本を入門書で押さえておくと、各社の見積書を比べやすくなります。
RENOSYの費用は大きく3つに分かれる
費用は「買うときに一度だけかかるもの」「毎月かかるもの」「年単位でかかるもの」に分けて考えると整理しやすくなります。
1. 購入時にかかる初期費用
公式サイトでは、初期費用を「諸費用」と「手付金」の2つに分けて説明しています。諸費用には契約書に貼る印紙代、登記にかかる登録免許税と司法書士報酬、ローンを使う場合の事務手数料や保証料などが含まれます。金融機関や審査の内容によっては、この諸費用をローンに組み込める場合もあると案内されています。
初期費用の目安は物件タイプによって大きく変わります。RENOSY公式サイトの初期費用・運用コストのページでは、単身者向けの新築・中古マンションが10万円から、ファミリー向けの中古マンションや高級層向けの中古マンションは200万〜300万円程度、単身者向けの新築アパートは400万〜500万円程度、ファミリー向け戸建ては50万〜500万円程度といった水準が示されています(2026年9月時点)。
2. 保有中に毎月かかるコスト
区分マンションを持つと、家賃収入が丸ごと手元に残るわけではありません。毎月引かれるのは主に次の3つです。
| 項目 | 支払先 | 内容 |
|---|---|---|
| ローン返済 | 金融機関 | 元金と利息。家賃から充当するのが一般的 |
| 管理費・修繕積立金 | マンション管理組合 | 共用部の維持と将来の大規模修繕に備える費用 |
| 賃貸管理の委託料 | 管理会社 | 入居者募集・家賃集金・クレーム対応などの代行費用 |
このうち賃貸管理の委託料が、プラン選択によって変わる部分です。ここを厚くするほど手間は減りますが、その分だけ毎月の手残りは薄くなります。
3. 年単位・数年単位でかかる費用
毎月ではないものの、忘れると資金繰りが苦しくなるのがこの区分です。固定資産税と都市計画税は毎年、不動産取得税は購入した翌年あたりに一度だけ、火災保険料は数年分をまとめて支払うのが一般的です。加えて、給湯器やエアコンといった設備が寿命を迎えたときの交換費用も、オーナー負担になります。

賃貸管理プランの手数料が手残りを決める
集金代行型と借り上げ型の考え方
賃貸管理の委託は、大きく分けて2つの型があります。ひとつは集金代行型で、家賃の集金や入居者対応だけを任せる代わりに委託料が抑えられる形です。ただし空室になれば家賃はゼロになるため、空室リスクはオーナーが負います。
もうひとつが借り上げ型(サブリース)で、管理会社が部屋を借り上げて、入居者がいるかどうかにかかわらず一定額をオーナーに支払う形です。空室でも収入が途切れにくい代わりに、受け取れる金額は満室時の家賃より低く設定されます。RENOSYでは複数の管理プランが用意されており、どこまでを会社に任せるかで手数料の水準が変わる仕組みです。
なお、サブリース契約については賃貸住宅管理業法によって、契約前の重要事項説明や誇大広告の禁止といったルールが定められています。「家賃保証」という言葉だけを見て安心せず、家賃の見直し条項と免責期間の有無を契約書で確認することが欠かせません。
借り上げ型の契約には、一定期間ごとに賃料を見直す条項が入っているのが一般的です。契約時の金額がずっと続くとは限らないため、収支シミュレーションは賃料が下がったケースでも成立するか確認しておきましょう。
プランを選ぶときの判断軸
どのプランが向いているかは、投資の目的と手をかけられる時間で変わります。本業が忙しく、確定申告や入居者トラブルの対応に時間を割けない方は、委託範囲の広いプランのほうが結果的に負担が軽くなります。一方で、収支の厚みを優先したい方や、自分で管理の勘所を学びたい方は、委託範囲を絞る選択もあります。手数料の体系やビジネスモデルの面からは、以下の記事でも整理しています。



費用を見積もるときに間違えやすいポイント
表面利回りと実質利回りは別物
広告に出ている利回りの多くは表面利回りで、これは「年間家賃収入 ÷ 物件価格」で計算した数字です。ここには管理費も税金も入っていません。実際の判断に使うべきなのは、諸経費を差し引いた実質利回りです。
たとえば年間家賃が96万円、物件価格が2,400万円なら表面利回りは4%ですが、管理費・修繕積立金・管理委託料・固定資産税で年間30万円かかるとすれば、実質的な収益は66万円まで落ちます。この差を織り込まずに購入を決めると、想定と実際の手残りが乖離します。
節税効果は永続しない
不動産投資では、減価償却費や諸経費を計上することで不動産所得を圧縮できる場面があります。仕組みそのものは国税庁のタックスアンサー「不動産所得」で確認できますが、注意したいのは減価償却できる期間が有限だという点です。
建物部分の償却が進むほど計上できる経費は減っていき、ローンの利息部分も返済が進むにつれて小さくなります。つまり、購入直後に大きく見えた節税効果は年々薄れていく構造です。節税を主目的に置くのではなく、家賃収入と支出のバランスで成立するかどうかを軸に判断するほうが安全です。
費用管理でつまずきやすいところ
実際に運用を始めてから多くの方がめんどうだと感じるのが、書類の管理です。売買契約書、重要事項説明書、ローン契約書、火災保険証券、毎月の送金明細、固定資産税の納付書と、確定申告のときに必要になる紙が1年で相当な量になります。しまい込んだ結果、申告直前に探し回るというのはよくある話です。
対策としては、購入した時点でA4サイズのファイルボックスを1物件につき1つ用意し、届いた書類を種類を問わずそこへ放り込むだけの運用にしてしまうのが手っ取り早い方法です。さらに紙を減らしたい方には、両面同時読み取りに対応したScanSnap iX1600のようなドキュメントスキャナーで領収書や明細をPDF化しておくと、申告作業がかなり楽になります。
収支の試算を自分の手で確かめたい場合は、ローン返済や利回りの計算に対応したカシオの金融電卓 FC-200Vのような専用機を使うと、営業担当から提示された数字の検算がしやすくなります。仕組みそのものを学び直したい方であれば、宅地建物取引士の入門書として定番の『みんなが欲しかった! 宅建士の教科書』(TAC出版)を通読しておくと、契約書に出てくる用語で戸惑う場面が減ります。
よくある質問
Q. 手付金はいくらくらい必要ですか?
A. 公式サイトでは、単身者向けの区分マンションについて手付金10万円から購入が可能と案内されています。ただし物件タイプや金融機関の条件によって変わるため、実際の金額は個別の見積もりで確認する必要があります。
Q. 仲介手数料がかからないなら、その分だけ得をするということですか?
A. 単純にそうとは言い切れません。売主取引では会社の利益が販売価格に含まれるため、比較すべきは手数料の有無ではなく、同等条件の物件と比べたときの価格と収支です。近隣の類似物件の相場を調べたうえで判断してください。
Q. 途中で管理プランを変えることはできますか?
A. プランの変更可否や条件は契約内容によって異なります。契約前の段階で、変更したい場合の手続きと、変更に伴う費用の有無を担当者に確認しておくと安心です。
Q. ローンの金利はどのくらいですか?
A. 投資用ローンの金利は、提携金融機関・借入年数・申込者の属性によって幅があります。会社側が一律で決めるものではないため、シミュレーションの前提となる金利が何%で置かれているかを確認し、金利が上がった場合の収支も試算しておくことをおすすめします。
Q. 途中で売却したくなったときの費用は?
A. 売却時には仲介手数料、抵当権抹消の登記費用、譲渡益が出た場合の譲渡所得税などがかかります。保有期間が5年以下か5年超かで税率が変わる点も押さえておきたいところです。


購入前に自分で確認しておきたい5つのチェック項目
担当者から提示される資料は当然ながら販売側の目線で作られています。鵜呑みにせず、次の5点は自分の目で確かめておきたいところです。
1. 周辺の家賃相場
提示された想定家賃が相場と合っているかは、賃貸情報サイトで同じ駅・同じ間取り・築年数の近い部屋を検索すれば数分で確認できます。想定家賃が相場より高く設定されていると、シミュレーション上の利回りだけが良く見えてしまいます。
2. 管理費と修繕積立金の推移
修繕積立金は、大規模修繕の時期に合わせて段階的に値上げされる設計になっていることがあります。長期修繕計画書を見せてもらい、将来的にいくらまで上がる予定なのかを確認しておくと、10年後の収支がぶれにくくなります。
3. 建物の管理状態
区分マンションの資産価値は、専有部よりも建物全体の管理状態に左右されます。エントランスや駐輪場、ゴミ置き場が清潔に保たれているかは、実際に現地へ行けばすぐわかります。可能であれば購入前に一度足を運んでおきましょう。
4. 現在の入居状況と賃貸借契約の内容
入居中の物件を購入する場合、既存の賃貸借契約はそのまま引き継がれます。契約期間がいつまでか、更新時期が近いか、敷金の預かり分がいくらあるかは、購入直後のキャッシュフローに直結します。
5. 出口をどう想定するか
不動産投資は買った時点で終わりではなく、いつ・いくらで売るかまで含めて損益が確定します。同じマンションの過去の成約事例が調べられるなら、築年数が進んだときにどの程度の価格帯になるのかの参考になります。保有中の収支と売却時の想定価格を合わせて考える視点が欠かせません。
初回の面談で全部を確認する必要はありません。ただし契約書に署名する前までには、この5点の答えを自分の言葉で説明できる状態にしておきたいところです。
Q. シミュレーションの数字は信用していいのでしょうか?
A. 計算そのものが間違っているケースはまれですが、前提条件の置き方で結果は大きく変わります。家賃の下落率、空室期間、金利、修繕費をそれぞれどう置いているかを確認し、条件を厳しめにした場合の数字も出してもらうと判断材料が増えます。
Q. 複数社を比較したほうがいいですか?
A. 比較すること自体にコストはかからないため、複数社の話を聞いておく価値はあります。同じような区分マンションでも、扱うエリア・築年数・管理体制の方針は会社ごとに違います。1社だけの説明では、提示された条件が相場に対して有利なのか不利なのか判断できません。RENOSYの評判や注意点を知りたい方は、以下の記事で検証しています。



Q. 面談を受けたら契約しなければいけませんか?
A. 面談は情報収集の場であり、その場で結論を出す義務はありません。判断に迷う場合は資料を持ち帰り、家族や第三者の意見も聞いたうえで決めるのが健全な進め方です。急かされていると感じたら、いったん距離を置く判断も選択肢に入れてください。
まとめ
RENOSYの料金は、売主取引という前提を理解したうえで、初期費用・毎月のコスト・年単位の支出という3層で捉えると全体像がつかめます。仲介手数料がかからない点は初期費用の面で効きますが、判断の軸はあくまで物件価格と長期の収支バランスに置くべきです。
賃貸管理プランは手残りを直接左右する項目なので、委託範囲と手数料水準、そして空室が出たときにどうなるかをセットで確認してください。最新の費用条件は変更される可能性があるため、契約前には公式サイトと担当者への確認を欠かさないようにしましょう。
👇 費用以外の面も含めて、RENOSYの評判の傾向と注意点はこちらで整理しています。





