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区分マンションやアパートを持つと、家賃収入に加えて、ローン利息、管理費、修繕費、固定資産税、減価償却費と、申告の材料が一気に増えます。年が明けてから通帳やカードの明細を並べ直し、何をどの勘定科目にするのか分からないまま手が止まるという場面は、不動産オーナーの方にとって珍しくありません。
そうした記帳と申告書づくりの道具として候補に挙がるのが、会計ソフトの「マネーフォワード クラウド確定申告」です。この記事では、公式サイトで確認できる機能、対応する申告、プラン、料金を整理したうえで、不動産所得の申告に使えるかどうかを公式の説明の範囲で確認します。税理士への相談を考えたい場面もまとめます。

マネーフォワード クラウド確定申告とは?サービス概要
マネーフォワード クラウド確定申告は、株式会社マネーフォワードが提供する、個人事業主向けの確定申告ソフトです。公式サイトでは、銀行やクレジットカードの明細を取り込み、売上や経費の入力にもとづいて確定申告に必要な書類を自動で作成できる、と案内されています。
| サービス名 | マネーフォワード クラウド確定申告 |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社マネーフォワード |
| 対応する申告 | 白色申告・青色申告(消費税申告はパーソナルプラン以上) |
| 提出方法 | 電子申告(e-Tax)のほか、郵送や税務署への持参にも対応と案内 |
| 入力できる所得項目 | 事業所得・不動産所得・配当所得・給与所得・雑所得 |
| 明細の連携 | 銀行・クレジットカードなど2,300以上のサービスと連携(2024年2月自社調べ) |
| 無料の範囲 | 1か月無料のトライアル(クレジットカードの登録は不要) |
| 料金(税抜) | 年払いの場合、月あたり900円から |
| 情報の確認日 | 2026年10月19日(公式サイトで確認) |
料金やプランの内容は変わることがあるため、申し込む前には公式サイトの最新の表記を見ておくと安心です。
プラン・機能を詳しく紹介
個人事業主向けのプランは3種類です。違いは、対応する申告の範囲、レシート撮影の無料件数、サポートの手段にあります。いずれも表示価格は税抜です。
パーソナルミニプラン
入口にあたる最小構成のプランです。申告書類の作成は青色・白色のどちらにも対応し、電子申告での提出、口座やカード明細の自動取込、メール・チャットでの操作サポートが付きます。反対に、消費税の申告には使えません。レシート撮影の無料枠は月15件までで、それを超える場合は上位プランへの変更が必要と案内されています。
パーソナルプラン
ミニプランでできることに加え、消費税の申告(インボイス制度対応)や、電子ファイルを上限なく保存する機能、経営状況のレポート表示が使えます。公式サイトでは推奨プランとして表示されています。レシート撮影の無料枠は月30件で、超えた分は1件20円(税抜)の扱いです。
パーソナルプラスプラン
パーソナルプランの内容に、電話での操作サポートが加わる年払い専用のプランです。レシート撮影の無料枠は月100件です。ただし公式の注記では、電話の対象は操作方法に限られ、経理や税務の相談は受け付けていません。
不動産所得の申告に使える?公式の説明の範囲で確認
ここが不動産オーナーにとって肝心な点です。公式サイトで確認できたのは、次の内容です。
- 入力できる所得項目に「不動産所得」が含まれている
- 青色申告の対象者は「不動産所得、事業所得、山林所得のいずれかがある方」で、青色申告承認申請書を提出した方と案内されている
- 対応帳票に、青色申告決算書、確定申告書の第一表から第四表がある(農業所得用の決算書・収支内訳書は非対応)
- 入力できる控除項目に、医療費、国民年金、住宅ローン、各種保険などが含まれる
つまり、不動産所得を入力して青色申告決算書や確定申告書を作る、という流れ自体は公式に説明されています。減価償却の計算機能や、不動産賃貸業に特化した機能については、今回確認した公式ページに説明が見当たりませんでした。そのため、本記事では「対応している」とも「していない」とも書きません。減価償却費の扱いが気になる方は、申し込みの前に、公式のサポートサイトで確認するか、無料トライアルで画面を触って確かめるのが安心な進め方です。
なお、減価償却の考え方そのものは、国税庁のタックスアンサーで確認できます。国税庁「No.2100 減価償却のあらまし」に目を通しておくと、ソフトへ入力する値の意味がつかみやすくなります。
マネーフォワード クラウド確定申告の料金・費用
2026年10月19日時点で、公式サイトに表示されている基本料金(税抜)は次のとおりです。
| プラン | 年払い | 月払い |
|---|---|---|
| パーソナルミニプラン | 10,800円/年(月あたり900円) | 1,280円/月 |
| パーソナルプラン | 15,360円/年(月あたり1,280円) | 1,680円/月 |
| パーソナルプラスプラン | 35,760円/年(月あたり2,980円) | 年払いのみ |
注意したいのは、2026年12月1日に個人事業主向けの料金改定が予定されていることです。マネーフォワードのサポートサイトのお知らせ(2026年9月24日公開)によると、改定後はパーソナルミニプランの月払いが1,680円、パーソナルプランが月払い2,880円・年払い22,560円、パーソナルプラスプランが年払い38,160円になります。パーソナルミニプランの年払い(10,800円)に変更はありません。
すでに契約している方は、2026年12月1日以降に更新となる契約から改定後の料金になります。申し込む時点の料金は、公式サイトで確認してください。
無料で試せる範囲は、1か月間のトライアルです。カード登録は不要で、期間が終わっても自動で有料に切り替わることはなく、作ったデータは引き継がれると公式に説明されています。ただし、トライアル中は使えない機能が一部あります。
マネーフォワード クラウド確定申告のメリット
銀行・カードの明細を取り込んで記帳の手間を減らせる
連携先は銀行やクレジットカードを中心に2,300以上あり、明細の自動取得や仕訳にも対応すると公式に説明されています。賃貸経営では、家賃の入金、ローンの返済、管理費や修繕費の支払いが、いずれも口座に記録として残ります。その明細を土台に記帳を進められるので、年明けにまとめて入力する負担を減らしたい方には大きな利点です。
申告に必要な書類をまとめて作成できる
収入と経費を入力していくと、申告書類が自動でできあがる仕組みです。青色申告決算書と確定申告書(第一表から第四表)が出力でき、白色・青色の両方を選べます。青色申告を始めるときに必要な開業届と青色申告承認申請書も、作成手段が案内されています。
電子申告(e-Tax)で提出まで進められる
アプリを使えば、e-Taxによる提出までオンラインで済ませられます。公式サイトでは、青色申告をe-Taxで行うと最大65万円の特別控除を受けられるとされています。条件として、マイナンバーカードと、カードの読み取りに対応したスマートフォンを用意する必要があります。

青色申告特別控除の条件は、国税庁「No.2072 青色申告特別控除」に整理されています。
マネーフォワード クラウド確定申告のデメリット・注意点
- 減価償却や賃貸経営に特化した機能は、今回確認した公式ページに記載が見当たらない
- 税務や経理の相談は、パーソナルプラスプランの電話サポートでも受け付けていない
- 2026年12月に料金改定が予定されている
- 電子申告で控除を受けるには、マイナンバーカードが必要
まず、ソフトは入力された数字から書類を作る道具であり、税務上の判断までは肩代わりしてくれません。公式の注記にもあるとおり、経理や税務の相談は受け付けられていません。なお、公式では使い方を熟知した税理士を無料で紹介するサービスが案内されています。

次に、不動産賃貸向けの機能です。入力できる所得項目に不動産所得はありますが、物件ごとの収支の管理や、減価償却の自動計算といった機能は、今回確認した範囲では説明が見つかりませんでした。物件数が多い方は、無料トライアルで自分の物件の数字を入れて確かめるのが現実的です。
費用面では、プランごとに対応範囲(消費税申告など)が異なります。消費税の申告が必要かどうかは、物件の用途や状況によって変わるため、不安な方は税務署か税理士に確認してください。
評価されやすい点・気になりやすい点(編集部の整理)
利用者の感想ではなく、公式情報と一般的な考え方から編集部で整理した内容です。
評価されやすい点
- 明細の取り込みで、年末の入力作業を分散できる
- 青色申告の準備から電子申告まで、一つのサービスで進められる
- 無料トライアルで、実際の画面を確かめてから決められる
気になりやすい点
- 賃貸経営に特化した機能の有無が、公式ページから読み取りにくい
- 税務判断の相談はできないため、迷ったときは別途相談先が必要になる
- 料金改定の予定があり、申し込み時期によって負担が変わる
- 電子申告の控除には、マイナンバーカードとスマートフォンの準備が要る
他の方法との比較
申告書の作り方は、ほかにもあります。一般的な違いを整理します。
| 方法 | 記帳の手間 | 向きやすい人 |
|---|---|---|
| 会計ソフト(本記事のサービスなど) | 明細連携で入力を減らせる | 自分で記帳し、青色申告を使いたい方 |
| 表計算ソフトで自作 | 帳簿の形式を自分で整える必要がある | 物件が少なく、帳簿づくりに慣れている方 |
| 国税庁の確定申告書等作成コーナー | 画面の案内に沿って申告書を作る | 帳簿を別に用意済みで、申告書だけ作りたい方 |
| 税理士への依頼 | 資料を渡して任せられる | 物件数が多い方、判断に迷う論点がある方 |
どの方法でも、帳簿の根拠となる領収書や契約書の保存は必要です。事業として行う不動産貸付けかどうかで、控除額などの扱いが変わる点は、国税庁のタックスアンサー「事業としての不動産貸付けとそれ以外の不動産貸付けとの区分」で確認できます。
この案内によると、貸間やアパートで独立した室数がおおむね10室以上、独立家屋でおおむね5棟以上なら、原則として事業として行われているものと取り扱われます。事業的規模に当たらない場合の青色申告特別控除は最高10万円です(令和8年4月1日現在の国税庁の案内)。
申し込み・利用の流れ
公式サイトの案内にもとづく、青色申告を想定した流れです。
- 無料トライアルを始める:クレジットカードの登録なしで、1か月間試せます。
- 青色申告の事前届出を用意する:開業届と青色申告承認申請書の作成手段が案内されています。届出の要否や期限は、税務署の案内で確認してください。
- 銀行・カードなどの連携を設定する:口座やカードの明細を取り込み、仕訳を確認します。
- 売上や経費を入力する:家賃収入、ローン利息、管理費、修繕費などを、ガイドに沿って入力します。
- 申告書類を作成して提出する:青色申告決算書や確定申告書が自動で作成され、アプリから電子申告できます。
トライアル中に自分の物件の数字を数件入力し、減価償却や経費の入力画面を確かめておくと、有料プランへ進むかを落ち着いて判断できます。
失敗しない選び方のコツ
区分マンション1〜2戸を持つ方
取引の数が比較的少なく、確定申告の流れもつかみやすいため、まずは無料トライアルで、自分の収支が入力できるかを確かめるのが無理のない進め方です。プランは、消費税申告が不要であれば、パーソナルミニプランから検討できます。
複数の物件・一棟アパートを持つ方
物件が増えるほど、経費の按分や減価償却の管理が複雑になります。トライアルで扱える範囲を確認したうえで、帳簿のチェックだけ税理士に頼む、といった分担も考えられます。
法人化や相続、売却を控えている方
法人の会計は、個人事業主向けのこのサービスとは別の領域です。売却や相続が絡む場合も税務上の判断が大きく変わるため、早めに税理士へ相談してください。経費の考え方は、次の記事も参考になります。

よくある質問(Q&A)
Q. 無料トライアルのあとに自動で課金されますか?
A. 公式サイトでは、無料トライアルの終了後に自動的に有料プランへ移行する(請求が発生する)ことはないと案内されています。クレジットカードの登録もなしで始められます。
Q. 区分マンション1室でも青色申告は使えますか?
A. 公式サイトでは、青色申告の対象者は、不動産所得などがあり、青色申告承認申請書を提出した方と案内されています。控除額は事業的規模かどうかで変わるため、上で紹介した国税庁のタックスアンサーを確認してください。
Q. 減価償却の計算には対応していますか?
A. 今回確認した公式ページには、減価償却の計算機能についての説明が見当たりませんでした。対応の有無は、公式のサポートサイトか、無料トライアルで確かめてください。
Q. 税務の相談もできますか?
A. 公式の注記によると、電話サポートは操作方法についてで、経理や税務の相談は受け付けていません。一方で、使い方を熟知した税理士を無料で紹介するサービスが案内されています。
Q. 電子申告で65万円の控除を受けるのに必要なものは?
A. 公式サイトの注記では、控除を受けるためにマイナンバーカードが必要とされています。アプリでの電子申告には、対応スマートフォンも必要です。
マネーフォワード クラウド確定申告はこんな方におすすめ
- 家賃収入の記帳を、銀行やカードの明細連携でラクにしたい方
- 不動産所得で青色申告を始めたい、または続けたい方
- 電子申告(e-Tax)で、自宅から提出まで進めたい方
- 申し込み前に、無料トライアルで使い勝手を確かめたい方
物件数が多く判断が複雑な方や、法人化・売却を控えた方は、税理士への相談も視野に入れてください。
まとめ
マネーフォワード クラウド確定申告は、公式サイトで不動産所得の入力項目、青色申告と白色申告への対応、電子申告、銀行・カードの明細連携が案内されている確定申告ソフトです。減価償却など賃貸経営に特化した機能は、今回確認した公式ページから読み取れなかったため、気になる方は無料トライアルで自分の物件の数字を入れて確かめるのが安心です。
料金は2026年12月に改定が予定されています。申告の内容や控除の適用は個別の事情で変わるため、最終的な判断は税務署や税理士に確認してください。申告の全体像は、こちらの記事も合わせてご覧ください。





