不動産投資をネットで調べていると、「RENOSY(リノシー)」というサービス名を見かけることが増えてきました。運営しているのが株式会社GA technologies(ジーエーテクノロジーズ)です。
AIを使った物件選定、スマホアプリでの資産管理といった打ち出し方が従来の不動産会社とは異なるため、興味を持つ一方で「実際どうなの?」と気になっている方も多いはずです。検索すると好意的な声もあれば、慎重な意見も混在していて、判断材料を整理しづらいのが実情でしょう。
この記事では、公式に公表されている会社情報とサービスの特徴を確認しながら、ネット上で見られる評判の傾向を整理します。手数料の仕組みやビジネスモデルの詳細は別記事で扱いますので、ここでは「どんな会社で、どんな声があるか」に絞って解説します。

GA technologiesはどんな会社か
公式に公表されている会社情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 社名 | 株式会社GA technologies |
| 設立 | 2013年3月12日 |
| 代表者 | 樋口龍 |
| 本社 | 東京都港区六本木3-2-1 住友不動産六本木グランドタワー40F |
| 資本金 | 99億6,779万8,616円(2026年4月末時点) |
| 従業員数 | 1,793人(2026年4月末時点、グループ会社を含む) |
| 上場市場 | 東京証券取引所グロース市場(証券コード3491) |
| 決算期 | 10月31日 |
※同社公式サイトの会社概要による。
設立から約5年後の2018年7月に東証マザーズ(現グロース市場)へ上場しています。不動産会社というよりも、不動産領域のテクノロジー企業として立ち上がってきた会社という位置づけです。
2つの事業の柱
同社の事業は大きく2つに分かれます。
- RENOSY:個人向けのAI不動産投資サービス。物件の紹介から購入、賃貸管理、売却までをワンストップで提供
- ITANDI:不動産業界向けのBtoBプラットフォーム。賃貸管理・仲介・売買の業務システムを提供
個人投資家が接するのはRENOSYですが、会社としてはBtoB側にも大きな事業を持っている点が特徴です。業界の業務システムを押さえていることで、物件や取引のデータが集まりやすい構造になっています。
業績の推移
2025年10月期の決算では、連結の売上収益が2,489億円(前期比31.1%増)、仕入原価などを差し引いたネット売上収益が442億円(同39.0%増)、事業利益が73億円(同88.6%増)と発表されています(同社2025年10月期通期決算説明資料)。
売上・利益ともに拡大が続いている状況ですが、会社の業績が良いことと、自分が買う物件の収支が良いことは別の話です。ここは切り分けて考える必要があります。
物件の収支を自分で見極めるには、中古ワンルーム投資の基本を本で押さえておくと判断しやすくなります。

RENOSYのサービス上の特徴
AIによる物件のスコアリング
RENOSYの看板になっているのが、独自のAIによる物件評価です。立地や築年数、周辺の賃貸需要といったデータをもとに物件をスコアリングし、基準を満たしたものを仕入れて紹介するという流れが説明されています。
AIが単独で決めているわけではなく、システムによる評価と人の目視確認を組み合わせた二段階の選定を行っているとされています。「AIが選ぶから安心」ではなく、「選定の基準がデータで説明できる状態になっている」と捉えるのが妥当でしょう。
売主として直接販売する形態
同社が自ら物件を仕入れて販売する売主取引が中心のため、仲介手数料が発生しない形になります。仲介会社を挟む取引と比べると、この分のコストは抑えられます。
ただし売主取引では、仕入価格と販売価格の差が同社の利益になります。仲介手数料がかからない代わりに販売価格に利益が乗っているという構造は理解しておきましょう。
購入後はアプリで管理
購入した物件の家賃入金、入居状況、収支の記録などを専用のスマホアプリで確認できる仕組みが提供されています。書類が郵送で届くのを待つ従来のやり方と比べると、状況の把握はしやすくなります。
複数の物件を持つようになると、どの部屋の家賃がいつ入ったのか、修繕費がいくらかかったのかを紙で管理するのは相当な手間です。記録が自動で残る仕組みは、確定申告の時期に効いてきます。
こうしたサービスの全体像は、RENOSYの公式サイトから資料を取り寄せて確認できます。
アプリの記録に加えて、領収書などの紙の書類も年ごとにまとめておくと、申告の準備がさらに進めやすくなります。
取り扱いは中古の区分マンションが中心
都市部の中古区分マンションが主な対象です。新築のワンルームと比べて価格が抑えられる分、利回りの水準は高くなりやすい一方、築年数に応じた修繕リスクや設備の更新は考慮する必要があります。
なお同社は、中古マンション投資の販売実績に関する第三者調査(株式会社東京商工リサーチ調べ)の結果をプレスリリースで公表しています。実績値は調査時点によって変わるため、最新の内容は公式のリリースで確認してください。
RENOSYが想定しているのは、長期保有で家賃収入を積み上げていくスタイルです。短期間で売却して差益を狙うモデルではないため、そこを期待して始めると想定とずれます。
ネット上で見られる評判の傾向
ここからは口コミサイトやブログで見られる声の傾向を整理します。個々の投稿は投稿者の状況に左右されるため、「そうした声が見られる」という前提でお読みください。
肯定的に語られていること
説明が具体的で分かりやすい
担当者の説明が詳しく、質問に対して数字で答えてもらえたという声が見られます。データを軸にした提案を行う会社であるため、根拠を示した説明を受けやすいという評価につながっているようです。
手続きがオンラインで完結しやすい
面談から契約までオンラインで進められた、遠方からでも進行に支障がなかったという声が見られます。地方在住で都心の物件を検討する場合、この点はメリットになります。
アプリで状況が見える
入金や入居状況をスマホで確認できることを評価する声が見られます。管理会社に電話して確認する手間がないという点が挙げられています。
慎重な意見として見られること
連絡の頻度
資料請求後の連絡が想定より多かった、検討中も提案が続いたという声が見られます。この点は不動産投資会社に共通して挙がる指摘でもあります。最初の問い合わせ時に希望する連絡頻度と手段を伝えておくことで、負担を減らせる場合があります。
利回りの水準
都心の区分マンションを扱う性質上、高利回りを狙うタイプの投資とは異なります。「思っていたほど手残りが大きくない」という声は、期待していた投資スタイルとのズレから生じている面があります。同じ都心の区分マンションを扱う会社の評判を並べて見たい方は、以下の記事もあわせてどうぞ。

節税効果への期待とのギャップ
節税を主な目的として始めた場合、想定と違ったという声も見られます。減価償却による課税所得の圧縮効果は、物件の構造・築年数・その人の所得状況によって大きく変わります。一般論として語られる節税額をそのまま自分に当てはめるのは危険です。
不動産投資に元本保証はありません。空室、家賃の下落、金利の上昇、売却時の価格下落など、収支を悪化させる要因は常に存在します。上場企業が提供するサービスであっても、投資の結果に対する責任を負うのは投資家自身です。


検討するときに確認したいこと
収支シミュレーションの前提を確認する
提示される収支表について、空室期間、家賃の下落率、修繕積立金の値上がり、金利上昇の想定をどう置いているかを聞きましょう。前提が楽観的なら、自分で保守的な数字に置き換えて再計算します。
売却時の想定を聞く
長期保有が前提のサービスとはいえ、出口の想定は聞いておくべきです。何年後にどの程度の価格で売れる想定なのか、その根拠は何か。ここに答えられるかどうかで、提案の質が測れます。
管理プランの内容と費用を確認する
賃貸管理には複数のプランが用意されており、補償の範囲によって費用が変わります。空室時の扱い、設備の修理費の負担、原状回復費の扱いがどうなるかを確認しましょう。詳細は料金・仕組みを扱った記事で解説します。
自分でも数字を検証できる状態を作る
提案書を渡されても、数字の意味が分からないまま話が進んでしまうのは避けたいところです。利回りの計算方法、減価償却の仕組み、返済比率の考え方——このあたりを押さえておくだけで、聞くべき質問が変わります。
『世界一やさしい 不動産投資の教科書 1年生』(浅井佐知子/ソーテック社)のような入門書を1冊通しておくと、提案の前提を自分で検証できるようになります。面談中にその場で計算し直せるよう、関数電卓を手元に置いておくのも実用的です。
複数社を比較する
1社だけの提案では、その条件が良いのか悪いのか判断できません。同じような立地・築年数の物件を扱う他社と並べて、価格と条件を比べてみましょう。マンション投資を扱う別の会社の見方は、以下の記事も比較の参考になります。





こんな人には合いやすい/慎重に検討したい
相性が良さそうなケース
- 都市部の中古区分マンションを、長期保有で持ちたいと考えている
- 地方在住で、オンライン中心に手続きを進めたい
- 購入後の管理状況をデジタルで把握したい
- 財務情報が開示されている会社と取引したい
慎重に考えたほうがよいケース
- 高い利回りを最優先に考えている
- 短期間の売却益を狙っている
- 節税だけを目的にしている
- 返済に余裕のない資金計画を組もうとしている
不動産投資は、始めたあと十年単位で付き合っていくものです。最初に決めた投資スタイルと、選んだサービスの得意分野がずれていると、後から軌道修正するのが難しくなります。自分がどの方向を目指しているのかを先に決めてから、それに合う会社を選ぶ順番が大切です。
口コミを読むときの注意点
投稿の時期を確認する
不動産会社のサービス内容や体制は変わります。数年前の投稿が現在の実態を表しているとは限りません。口コミは投稿日時とセットで読むことで、情報の鮮度を見極められます。
投稿者の投資スタイルを推測する
「利回りが低い」という指摘も、高利回りを狙う投資家の基準なのか、都心の区分マンションを長期で持つ人の基準なのかで意味が変わります。自分と近い立場の人の意見を重く見るほうが、参考になります。
紹介記事の立ち位置を意識する
ネット上の比較記事の中には、広告として作成されているものもあります。書かれている内容が公式の一次情報と一致しているかを確認する習慣をつけると、情報の取捨選択がしやすくなります。


よくある質問
Q. GA technologiesは上場企業ですか?
東京証券取引所グロース市場に上場しています(証券コード3491)。決算短信や決算説明資料が公開されているため、業績や財務状況を自分で確認できます。
Q. RENOSYで扱っているのは新築ですか中古ですか?
都市部の中古区分マンションが中心です。新築と比べて価格が抑えられる分、利回りは出やすい傾向にありますが、築年数に応じた修繕や設備更新のコストは織り込んでおく必要があります。
Q. 少額から始められますか?
手付金の水準は物件や契約条件によって変わります。ただし物件本体の購入にはローンを組むのが一般的で、その返済能力が問われることに変わりはありません。手付金の少なさだけで判断しないようにしましょう。
Q. 節税目的で始めるのは合理的ですか?
減価償却による効果は物件の構造や築年数、その人の所得によって変わるため、一律に語ることはできません。また、節税効果は永続するものではなく、償却期間の終了とともに縮小します。税務の判断は税理士に確認することをおすすめします。国税庁の不動産所得の課税のしくみで基本的な考え方を確認できます。
Q. 途中で管理会社を変えることはできますか?
管理委託契約の内容によります。契約期間、解約の予告期間、違約金の有無を契約前に確認しておきましょう。長期にわたる契約になるため、後から変更する余地があるかどうかは重要な確認事項です。
Q. 「AIが選んだ物件なら失敗しない」と考えていいですか?
そのようには考えないでください。AIによる選定はあくまで一定の基準でスクリーニングする仕組みであり、将来の家賃や価格を保証するものではありません。金融庁が公表している注意喚起にも目を通したうえで、最終的な判断は自分で行う必要があります。
まとめ
GA technologiesは、東証グロース市場に上場し、AI不動産投資「RENOSY」とBtoBプラットフォーム「ITANDI」の2つを柱に事業を展開している会社です。評判としては、説明の具体性やオンラインでの進めやすさ、アプリでの管理を評価する声がある一方、連絡の頻度や節税効果への期待とのギャップを指摘する声も見られます。
判断のポイントは、会社の信用力と、自分が買う物件の収支を分けて評価することです。上場企業であることは情報開示の面で意味がありますが、それが個別の物件の収益性を保証するわけではありません。前提を確認し、自分で計算し、複数社と比べる——この基本を踏んでいきましょう。
👇 RENOSYの評判を、投資スタイルとの相性という視点から整理した記事はこちらです。





