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不動産投資の構造比較|RC・SRC・木造の耐用年数と融資・収益性の違い

不動産投資の実践

物件資料の冒頭に必ず書かれている「構造」の欄。RC造、SRC造、鉄骨造、木造——この一語で、融資期間も、毎年の減価償却費も、修繕コストも、売却時の評価も変わってきます。利回りや価格ばかり見ていると、この項目を読み飛ばしてしまいがちです。

構造は後から変えられません。購入してから「思ったより融資期間が短くて返済がきつい」「毎月の音のクレームが止まらない」と気づいても、打つ手は限られます。この記事では、不動産投資の判断材料として構造をどう読むかを、耐用年数・融資・収益性・運用実務の4つの角度から整理します。

ナビ助
ナビ助
構造の欄って地味だけど、実は融資年数を決めてる張本人なんだよね。ここを読めるようになると物件の見え方が変わるよ。

RC造・SRC造・木造はそれぞれ何が違うのか

RC造(鉄筋コンクリート造)

鉄筋を組んだ型枠にコンクリートを流し込んで躯体をつくる工法です。引っ張りに強い鉄筋と、圧縮に強いコンクリートを組み合わせることで、高い強度と耐久性を確保しています。中低層のマンションで広く採用されており、遮音性と耐火性に優れる点が入居者にとっての価値になります。

SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)

RC造の内部に鉄骨の骨組みを加えた構造です。鉄骨が入るぶん、より大きなスパンや高層化に対応できます。主にタワーマンションや高層の賃貸物件で使われる工法で、建築コストはRC造よりさらに高くなります。

木造

柱と梁を木材で構成する構造です。建築コストが最も抑えられ、同じ土地・同じ規模なら初期投資額を小さくできます。アパートの主流であり、表面利回りの数字が高く出やすいのはこの構造です。一方で、遮音性と耐火性はRC造に劣ります。

鉄骨造(S造)

柱と梁に鋼材を使う構造で、骨格材の厚みによって軽量鉄骨と重量鉄骨に分かれます。木造とRC造の中間に位置づけられ、建築期間が短く済む点がメリットです。ハウスメーカーが手掛けるアパートに多く見られます。

構造ごとの違いは、建物の構造を図解した本で一度確認しておくと、物件資料の「構造」欄が読みやすくなります。

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法定耐用年数の違いが投資判断を左右する

構造別の法定耐用年数

税務上の減価償却期間を決めるのが法定耐用年数です。住宅用の建物では、RC造とSRC造が47年、鉄骨造は骨格材の厚みが4ミリメートルを超えるもので34年、それ以下の軽量鉄骨造では19〜27年、木造は22年と定められています。詳細は国税庁「No.2100 減価償却のあらまし」から確認できます。

住宅用建物の法定耐用年数
構造 法定耐用年数 建築コスト 遮音性
SRC造 47年 非常に高い 高い
RC造 47年 高い 高い
重量鉄骨造 34年 中程度 中程度
軽量鉄骨造 19〜27年 やや低い やや低い
木造 22年 低い 低い

中古物件は残存年数で計算する

中古物件を取得した場合、法定耐用年数をそのまま使うわけではありません。簡便法では、法定耐用年数の一部が経過している物件は「法定耐用年数から経過年数を引き、経過年数の20パーセントを足した年数」を用います。法定耐用年数をすでに超えている物件は「法定耐用年数の20パーセント」となり、築22年超の木造なら4年という短い期間で償却する計算になります。

この短期償却は、毎年の減価償却費を大きく計上できるため、所得の状況によっては課税所得を圧縮する効果を持ちます。ただし償却期間が終われば経費は消え、その後は税負担が重くなります。目先の効果だけで飛びつくのは危険です。

償却期間の計算や終了後の税負担の変化は、減価償却を解説した本で具体例とあわせて確認しておくと判断しやすくなります。個別の判断は税理士にご確認ください。

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ナビ助
ナビ助
築古木造の4年償却は強力だけど、5年目から一気に税金が増えるからね。出口まで含めた計画とセットで考えよう。

融資期間の付き方が構造で変わる

耐用年数と融資年数の関係

多くの金融機関は、法定耐用年数から築年数を差し引いた残存年数を融資期間の目安にします。RC造なら築20〜30年の物件でも融資が組める一方、木造では築10年を超えたあたりから期間が短くなるという差が生まれます。

融資期間が短ければ、毎月の元金返済額は膨らみます。同じ利回りの物件でも、20年ローンと30年ローンでは手元に残るキャッシュフローがまったく違います。表面利回りが高い木造築古物件が、実際に回してみると手残りが薄いのはこの構造によるものです。

金融機関ごとの姿勢の違い

耐用年数を厳格に見る金融機関もあれば、建物の状態や収益力を重視して耐用年数超過物件にも融資を出す先もあります。融資条件は年収・自己資金・既存借入・物件の所在地によっても変わるため、複数の金融機関にあたって感触を確かめる作業は避けて通れません。なお、投資用ローンに絞った公的な統計は限られますが、金融機関全体の融資姿勢の傾向は住宅金融支援機構の住宅ローン貸出動向調査(住宅ローンを対象とした調査)からもうかがえます。

ポイント

構造の違いは「表面利回り」ではなく「返済後に残るキャッシュフロー」に効いてきます。物件を比較するときは、想定される融資期間と金利を入れた返済シミュレーションまで作ったうえで並べてください。

収益性・運用コストの比較

不動産投資における「見かけの利回り」の落とし穴

不動産投資の物件情報に載っている表面利回りは、年間の想定家賃収入を物件価格で割っただけの数字です。ここには融資の返済も、固定資産税も、管理費も、修繕費も入っていません。構造の違いが効いてくるのは、まさにこの「入っていない部分」です。

木造築古の表面利回り12パーセントと、RC造築浅の表面利回り6パーセント。数字だけなら前者が有利に見えますが、融資期間が10年と30年では返済額がまるで違います。実質的な手残りで比べると順序が入れ替わることも珍しくありません。

利回りは木造が高く出やすい

建築コストが低いぶん、木造アパートは取得価格に対する家賃収入の比率が高くなります。数字だけを見れば魅力的に映りますが、前述の融資期間の短さと、後述する修繕負担を織り込むと印象は変わります。

修繕コストと大規模修繕

RC造は躯体が長持ちする反面、外壁の補修や防水工事といった大規模修繕の1回あたりの費用が大きくなります。木造は1回あたりの費用は小さいものの、外壁塗装やシロアリ対策など手を入れる頻度が高くなる傾向があります。総額でどちらが安いかは、保有期間と建物の状態次第です。

入居者から見た価値

遮音性は入居者の満足度に直結します。上下階や隣室の生活音が気になるという理由での退去は、木造・軽量鉄骨の物件で起こりやすい問題です。入退去のたびに発生する原状回復費と募集広告費を考えれば、遮音性は収支に跳ね返る要素だといえます。

また、耐火性の違いは火災保険料にも影響します。構造級別によって保険料率が変わるため、木造は保険料が高くなる傾向があります。ランニングコストの試算では、この差も忘れずに入れておきたいところです。

ナビ助
ナビ助
火災保険料まで見てる人は意外と少ないんだよね。構造が違うと保険料も変わるから、収支表に入れておこう。

出口戦略から見た構造の選び方

売却時に買い手が融資を受けられるかどうかは、価格に直結します。RC造は築年数が進んでも融資が付きやすいため、買い手の層が厚いまま推移します。一方、木造の築古物件は買い手が現金購入者や短期融資を組める層に限られ、売却価格が伸びにくくなる可能性があります。

保有中のキャッシュフローと、売却時の価格。この2つを合わせた総収益で判断するのが構造選びの基本姿勢です。木造築古で短期に償却を取り、出口では土地値で売り抜ける——という戦略が成立するのは、土地の価値が読める立地に限られます。

購入前に構造まわりで確認しておくこと

建物の状態を専門家に見てもらう

同じRC造でも、管理状態によって傷み方はまったく違います。中古住宅の売買では、既存住宅状況調査(建物状況調査)という制度が整備されており、有資格者による調査結果があれば重要事項説明で示されます。制度の概要は国土交通省の既存住宅状況調査技術者講習制度のページで確認できます。

現地で自分の目と耳を使う

資料に書かれていない情報は、現地でしか手に入りません。共用部のひび割れ、鉄部のさび、上下階の音の伝わり方。図面と現地の差を埋める作業に手を抜くと、購入後に想定外の支出が発生します。

とはいえ、平日は仕事、週末に遠方の物件を回るという生活のなかで、毎回きちんと記録を残すのはなかなかの負担です。壁面や共用廊下の寸法を素早く測れるマキタのレーザー距離計 LD030Pを持っておくと、片手で数値が取れるので記録が残しやすくなります。遮音性を数値で比べたい場合は、デジタル騒音計(デシベルメーター)を1台用意して、同じ条件で各物件を測るという方法もあります。

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知識を先に仕込んでおく

構造と融資と減価償却は、それぞれ独立した話ではなく絡み合っています。物件を見ながら学ぼうとすると、判断のたびに迷いが出ます。石原博光『まずはアパート一棟、買いなさい!』のように実務の流れを一通り追える書籍を先に読んでおくと、資料を見たときに何を確認すべきかが自然と浮かぶようになります。

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よくある質問

Q. 初心者にはどの構造がおすすめですか

A. 投資の目的によって答えが変わります。長期で安定したキャッシュフローを重視し、売却時の間口も残したいならRC造が候補になります。少額から始めて表面利回りを取りにいくなら木造という選び方もあります。どちらが優れているという話ではなく、資金力・融資枠・保有期間の想定とセットで決めるものです。

Q. SRC造とRC造で投資判断は変わりますか

A. 法定耐用年数はどちらも47年で同じです。実務上は、SRC造の物件は高層かつ高価格帯になりやすく、1戸あたりの投資額が大きくなる点が違いになります。区分所有で購入する場合、管理費や修繕積立金の水準も確認しておいてください。

Q. 築古の木造アパートは避けた方がよいですか

A. 一概には言えません。土地値が明確で、建物価値がほぼゼロと評価されている物件を土地の価格で取得できるなら、成立する投資もあります。ただし融資が付きにくく、自己資金の比率が高くなる点は前提として押さえておく必要があります。

Q. 耐用年数が過ぎたら建物は使えなくなるのですか

A. 法定耐用年数はあくまで税務上の区分であり、建物の物理的な寿命とは別物です。適切に修繕が続けられていれば、耐用年数を超えても賃貸として稼働している建物は数多くあります。判断すべきは年数の数字ではなく、建物の実際の状態です。

Q. 構造によって固定資産税は変わりますか

A. 建物の評価額は構造や仕様によって異なるため、結果として税額に差が出ます。一般にRC造は木造より評価額が高く算定される傾向があります。具体的な税額は物件の所在する市区町村の課税明細で確認してください。

Q. 軽量鉄骨と重量鉄骨はどこで見分けますか

A. 骨格材の厚みが4ミリメートルを超えるものが重量鉄骨、それ以下が軽量鉄骨という区分です。物件資料の構造欄には「鉄骨造」としか書かれていないことも多いため、設計図書や建築確認関係の書類で厚みを確認する必要があります。法定耐用年数が34年と19〜27年では融資期間の見積りが大きく変わるので、購入前に売主側へ確認しておきたい項目です。

Q. 大規模修繕の費用はどのくらい見ておくべきですか

A. 建物の規模・仕様・立地条件によって金額は大きく変わるため、一律の目安を当てはめるのは避けた方が安全です。区分所有なら管理組合の長期修繕計画と積立金の残高、一棟なら過去の修繕履歴と直近の見積りを取り寄せて、実額ベースで判断してください。積立不足が判明した場合、購入後に一時金の徴収や積立金の値上げが起こる可能性があります。

Q. 地震のリスクはどう考えればよいですか

A. 構造そのものより、建築確認を受けた時期が重要な判断材料になります。新耐震基準が適用された時期以降の建物かどうかは、購入前に確認しておきたい項目です。あわせて、地震保険の付帯についても検討しておくと安心です。

まとめ

RC造・SRC造は耐用年数が長く融資期間を取りやすい一方、取得価格が高く利回りは低めに出ます。木造は取得価格が抑えられて利回りは高く見えますが、融資期間が短くなりやすく、遮音性や修繕頻度の面で運用の手間がかかります。鉄骨造はその中間に位置します。

大切なのは、構造の優劣を決めることではなく、自分の投資期間・資金力・出口の想定に、どの構造が噛み合うかを見極めることです。物件資料の「構造」の欄を見た瞬間に、融資期間と償却年数がおおよそ頭に浮かぶようになれば、判断のスピードは格段に上がります。

ナビ助
ナビ助
構造・融資期間・償却年数はワンセット。この3つがつながって見えるようになったら、もう初心者卒業だよ!

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