RENOSYを検討していると、「仲介手数料がかからない」「アプリで管理できる」といった説明は目に入るものの、結局どこにいくらお金がかかるのかが見えにくいと感じたことはないでしょうか。
不動産投資では、物件価格以外にも購入時・保有中・売却時のそれぞれで費用が発生します。さらに、サービスを提供する会社がどこで利益を得ているのかを理解しておかないと、提案された条件が自分にとって妥当かどうかを判断できません。
この記事では、GA technologiesが運営するRENOSYの料金構造とビジネスモデルを整理します。会社の評判や口コミについては別記事で扱っていますので、ここではお金の流れと仕組みに絞って解説します。

GA technologiesのビジネスモデル
会社の収益は2つの事業から生まれている
同社の事業は、個人向けの「RENOSY」と、不動産業界向けBtoBプラットフォームの「ITANDI」に分かれます。
RENOSY側では、物件を仕入れて販売する取引、購入後の賃貸管理、売却時の仲介といった不動産取引に関わる収益が中心です。ITANDI側では、不動産会社に業務システムを提供する対価として継続的な利用料を得ています。
2025年10月期の決算では、連結の売上収益2,489億円(前期比31.1%増)、ネット売上収益442億円(同39.0%増)、事業利益73億円(同88.6%増)と発表されています(同社決算説明資料)。売上収益とネット売上収益に大きな差があるのは、物件の販売という仕入れを伴う取引が売上の大半を占めるためです。
売主取引という形態
RENOSYで投資家が物件を買う場合、同社が売主になる取引が中心です。ここが料金の仕組みを理解するうえで最も重要な点になります。
売主取引では、宅地建物取引業法上の仲介手数料が発生しません。売主と買主が直接契約するため、仲介という行為自体が存在しないためです。
ただし、これは「コストがゼロ」という意味ではありません。同社は物件を仕入れて販売しているため、仕入価格と販売価格の差が同社の利益になります。仲介手数料という名目の費用がない代わりに、販売価格の中に利益が含まれている構造です。
仲介取引と売主取引、どちらが投資家にとって有利かは一概に言えません。仲介の場合は物件価格の3%+6万円(税別)を上限とする仲介手数料が別途かかりますが、売主取引ではその分が価格に織り込まれているかどうかを外から見分けることはできません。
だからこそ、提示された物件価格が周辺の相場と比べてどうかを自分で確認する作業が欠かせません。国土交通省の不動産情報ライブラリでは実際の取引価格情報を検索できるので、同じエリア・同じ築年数帯の成約価格と照らし合わせてみましょう。
価格や諸費用の考え方を入門書で一通り押さえておくと、提示された総額が妥当かどうかを判断しやすくなります。

投資家が負担する費用の全体像
不動産投資でかかるお金は、購入時・保有中・売却時の3つの段階に分けて整理すると把握しやすくなります。
購入時にかかる費用
| 費用の名目 | 内容 |
|---|---|
| 物件価格 | 本体の購入代金。ローンを組む場合は頭金と借入に分かれる |
| 登記費用 | 所有権移転登記・抵当権設定登記の登録免許税と司法書士報酬 |
| ローン事務手数料・保証料 | 金融機関に支払う。金額は金融機関ごとに異なる |
| 火災保険料・地震保険料 | 加入期間と補償内容で変動 |
| 印紙税 | 売買契約書・金銭消費貸借契約書に貼付 |
| 不動産取得税 | 購入後しばらくしてから納税通知が届く |
| 固定資産税等の精算金 | 引渡日を基準に売主と日割り精算 |
見落とされやすいのが不動産取得税です。購入から半年前後たってから通知が届くため、手元資金を使い切っていると支払いに困ります。購入時の資金計画には必ず含めておきましょう。
保有中にかかる費用
- ローンの元利返済
- 賃貸管理の委託費用(プランによって異なる)
- マンションの管理費・修繕積立金
- 固定資産税・都市計画税
- 火災保険料の更新
- 入退去時の原状回復費、設備の修理・交換費
- 入居者募集にかかる広告料
家賃収入からこれらを差し引いた残りが手残りになります。修繕積立金は築年数の経過とともに値上がりするのが一般的で、購入時の金額がそのまま続く前提で収支を組むと、後年になって想定が狂います。長期修繕計画の内容と、過去の値上げ履歴は確認しておきたい項目です。
売却時にかかる費用
- 仲介手数料(仲介で売却する場合)
- 抵当権抹消の登記費用
- 譲渡所得税・住民税(売却益が出た場合)
- ローンの繰上返済手数料
譲渡所得税は所有期間によって税率が変わります。所有期間5年を境に税率が大きく異なるため、売却のタイミングは税負担も含めて考える必要があります。詳しくは国税庁の長期譲渡所得の税額の計算で確認できます。
購入から売却までにかかる税金の流れを一冊で整理しておくと、売却のタイミングを考えるときの見通しが立てやすくなります。

賃貸管理プランの仕組み
RENOSYで物件を購入した後、賃貸管理を委託する場合は複数のプランから選ぶ形になります。案内されているのは、家賃の集金と管理業務を代行する集金代行系のプラン、設備の修理・交換費用までカバーするワイドプラン、賃料債権の譲渡という形をとるNEOインカムといった種類です。プランの構成や名称は見直されることがあるため、最新の内容は資料請求や面談の場で確認してください。
集金代行プラン
最もシンプルな形態です。入居者からの家賃を回収してオーナーに送金し、入居者募集やクレーム対応といった管理業務を代行します。
空室のときは家賃収入がゼロになり、設備の修理費や原状回復費もオーナー負担です。委託費用が抑えられる代わりに、リスクは自分で持つという構造になります。
ワイドプラン
集金代行の内容に加えて、設備の修理・交換費用などがカバーされるプランです。突発的な出費を抑えたいオーナー向けの設計になっています。
エアコンや給湯器が壊れると数万円から十数万円の出費が一度に発生します。1部屋だけを保有している場合、この不意の支出が年間の手残りを大きく削ることがあります。補償を付けるかどうかは、手元資金の余裕と相談して決めるところです。
NEOインカム
2021年11月から提供されている仕組みで、従来のサブリース(マスターリース)とは契約の構造が異なります。
同社のプレスリリースによれば、オーナーと同社の間で賃貸借契約を結ぶのではなく、オーナーが入居者に対して持つ賃料債権を同社が一括で買い取り、実際に賃料が発生したかどうかにかかわらず対価を支払うという形をとります。契約は「管理委託契約」と「将来集合債権譲渡基本契約」の組み合わせです。
従来型のサブリースでは、オーナーと管理会社の間に賃貸借契約が成立するため借地借家法が適用され、オーナー側からの解約が難しいという問題が指摘されてきました。NEOインカムは賃貸借契約を結ばない構造にすることで、この点を解消する狙いがあると説明されています。
各プランの料金は改定されることがあります。この記事では具体的な金額を記載していません。契約前に必ず公式サイトまたは担当者から最新の料金表を取り寄せ、書面で確認してください。
プラン選びで確認したい5つの点
- 空室になったときの収入はどうなるか
- 設備の修理・交換費用は誰の負担か
- 原状回復費はどちらが持つか
- 契約期間と、途中で解約する場合の条件
- プランの変更は可能か、その際の条件は何か
補償が手厚いプランほど費用は上がります。支払う費用と、回避できるリスクの大きさを天秤にかける作業が必要です。保有戸数が少ないうちは補償を厚めに、複数戸に分散できるようになったら補償を薄くする、という考え方もあります。
各プランの最新の内容や物件ごとの条件は、RENOSYの公式サイトから資料を取り寄せて確認できます。
収支を自分で検証する方法
提示される収支表の前提を洗い出す
担当者から渡される収支シミュレーションには、必ず何らかの前提が置かれています。最低限、次の項目は確認しましょう。
- 空室期間を年間何日で見ているか
- 家賃の下落を何年目から何%で織り込んでいるか
- 修繕積立金の値上がりを反映しているか
- 金利は固定か変動か、変動なら上昇時の試算があるか
- 売却時の想定価格とその根拠
これらの前提が甘いほど、シミュレーション上の数字はきれいに見えます。前提を保守的に置き換えて、それでも耐えられる収支かどうかを確認するのが実務的な検証方法です。収支の試算に使えるツールを用途別に知りたい方は、以下の記事も参考になります。

手元資金の減り方を月単位で見る
家賃収入からローン返済と諸費用を引いた結果、毎月いくら手出しが必要になるのか。その金額を10年続けられるのか。年間の数字ではなく、月々のキャッシュフローで確認してください。
提案書の数字をそのまま眺めているだけでは、自分にとっての意味が見えてきません。表計算アプリに数字を打ち込んで自分で組み直す、面談中に関数電卓でその場で計算し直す、といった手を動かす作業が判断の精度を上げます。
基礎知識を先に押さえる
減価償却、返済比率、実質利回りといった用語の意味が曖昧なままだと、提案の妥当性を評価できません。『世界一やさしい 不動産投資の教科書 1年生』(浅井佐知子/ソーテック社)のような入門書を1冊通しておくと、収支表のどこを見ればいいかが分かるようになります。


他社と料金を比べるときの見方
名目ではなく総額で並べる
会社によって費用の名目の付け方は異なります。仲介手数料がかかる会社とかからない会社を「手数料の有無」で比べても意味がありません。物件価格+購入諸費用の合計で並べると、初めて同じ土俵での比較になります。
管理費用は年額に直す
月額で提示される管理費用は、年額に直してから家賃収入と比べましょう。月々の数千円の差でも、10年で見れば無視できない金額になります。補償が手厚いプランを選ぶ場合は、その費用で回避できる出費の期待値と釣り合っているかを考えます。
売却時の条件まで含めて考える
購入時の条件だけを比べて、売却時の話を確認しないケースが多く見られます。将来売るときにその会社を通す必要があるのか、他社に依頼できるのか、その際の手数料はどうなるのか。出口の自由度は、購入時にはコストに見えないが、後から効いてくる要素です。
担当者に不利な情報を聞く
「この物件のデメリットは何ですか」「うまくいかない場合はどんなケースですか」と直球で聞いてみましょう。答えられる担当者と、話をそらす担当者では、その後の付き合い方が変わります。


よくある質問
Q. 仲介手数料が無料なら、その分だけ安く買えるのですか?
そうとは限りません。売主取引では仲介手数料という名目の費用は発生しませんが、販売価格に同社の利益が含まれています。判断すべきは名目ではなく総額です。周辺の取引事例と照らし合わせて、価格そのものが妥当かを確認しましょう。
Q. 賃貸管理の費用はどのくらいかかりますか?
選ぶプランと補償の範囲によって変わります。料金は改定される可能性があるため、契約前に公式サイトまたは担当者から最新の料金表を確認してください。この記事では具体的な金額の記載を避けています。
Q. NEOインカムは従来のサブリースと何が違うのですか?
契約の法的な構造が異なります。従来型はオーナーと管理会社の間で賃貸借契約を結ぶため借地借家法が適用され、オーナー側からの解約が難しくなります。NEOインカムは賃貸借契約ではなく、管理委託契約と将来集合債権譲渡基本契約を組み合わせる形をとると説明されています。
Q. 管理プランは途中で変更できますか?
変更の可否と条件は契約内容によります。契約期間、変更のタイミング、手続きに必要な期間を事前に確認しておきましょう。長期にわたる契約なので、柔軟性があるかどうかは重要です。
Q. 手付金が少額なら、資金がなくても始められますか?
手付金の額と、投資として成立するかどうかは別の問題です。物件本体はローンで購入することになり、その返済は毎月続きます。空室や金利上昇に耐えられる資金の余裕があるかどうかで判断してください。
Q. 会社の業績が好調なら、投資も上手くいきますか?
会社の業績と、個々の物件の収支は連動しません。サービスを提供する会社の財務が安定していることは長期の付き合いにおいて意味を持ちますが、それが自分の物件の家賃や価格を保証するものではありません。国民生活センターが公表している投資用マンションに関する注意喚起にも目を通したうえで、投資判断は自分で行いましょう。
まとめ
RENOSYの料金の仕組みは、「売主取引のため仲介手数料は発生しないが、その分は販売価格に含まれている」という構造が出発点になります。そのうえで、購入時の諸費用、保有中の管理費用と税金、売却時の費用と税金という3段階のコストが乗ってきます。
賃貸管理は集金代行系のプラン、ワイドプラン、NEOインカムといった選択肢が案内されており、補償の範囲によって費用が変わります。料金は改定されることがあるため、金額は必ず公式の最新情報で確認してください。
最後に大切なのは、提示された収支表を鵜呑みにせず、自分で前提を置き換えて計算し直すことです。手を動かして検証する習慣が、長期にわたる投資判断を支えてくれます。
👇 料金の仕組みを踏まえたうえで、RENOSYの評判の傾向を確認したい方はこちらです。





